投資入門

ボリンジャーバンドとは?為替(FX)や株の取引に役立つテクニカル指標

更新日:

±2σのボリンジャーバンド:米ドル/円

ボリンジャーバンドは、トレンドの強さを計るテクニカル指標です。

2本の±2σ線でかこまれたエリアの幅が広く、ロウソク足がその外にある、そのようなときは強いトレンドが発生している可能性があります。

記事前半は用語について、後半で使い方を解説します。

ボリンジャーバンドは変動性を見える化する

変動性のことを、金融工学ではボラティリティー(Volatility)と呼びます。

変動性は一般的な言葉ではないのでイメージしづらいと思います。

比較したときに「どのくらい不安定な状態か」「どのくらい変化がおきているか」を意味します。

比較をすることが前提です。

例えば、最安値と最高値の差を複数の期間で比較し、価格差が大きい期間を指して「ボラティリティーが高い」と言います。

チャートの複数の期間を比較して、振幅が大きい、もしくは一方行に大きく動いているとき「ボラティリティーが高い」と言います。

2か月で区切った2つの期間のボラティリティーを比較する

たとえば記事冒頭のチャートでは、線グラフ2本でかこまれたエリアに対し、ロウソク足がエリアの内側と外側のどちらにあるかを見ます。

外側にあるとき、 ボラティリティーが高い状態にあります。

ボリンジャーは人名

ボリンジャーバンドの「ボリンジャー」はこの指標を考え出したジョン・ボリンジャー( John A. Bollinger)さんの名前からきています。

彼は、この指標を1980年に発表しました。

そして「バンド」は、茶色の線(単純移動平均線)を中心として上下に位置する水色の線(標準偏差)にはさまれたエリア(バンド:band)のこと。チャートの水色エリアです。

この後、用語について解説していきます。この段階で判らなくて大丈夫ですので、読み進めてください。

単純移動平均は期間中の平均

どのチャートでも標準で表示されている移動平均線と、ボリンジャーバンドの単純移動平均線は同じものです。

期間中の平均を、投資の世界では移動平均と呼んでいます。

複数の移動平均を線でつなげば移動平均線です。

単純平均は、いわゆる平均のこと。

基準となる値を全部足して、値の個数で割れば、単純平均です。

なぜ「単純」平均と呼ぶのかというと、単純ではない平均があるから。

平均には、単純平均、加重平均があります。

期間が20日間のSMAとWMA

単純平均の移動平均線、これが単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)です。

加重移動平均線(WMA:Weighted Moving Average)
より新しい値が重要であるとの考え方に基づき、新しい値の比重を高く、古い値の比重を軽くして算出する平均。単純平均に比べて実際の値の動きに近い形の線グラフになります

日経平均株価は単純平均(厳密には違いますが)の考え方。TOPIXは加重平均の考え方です。

"σ"は標準偏差のこと

σ はギリシャ文字の小文字「s」を表します。

なぜ「s」かというと Standard deviation (標準偏差)の頭文字です。

呼び方は「シグマ」。

標準偏差とは

標準偏差は統計学の用語です。

この記事のチャートでは、水色エリア境目の線が、標準偏差の線グラフです。

標準偏差は数の集合がどの程度ばらついているかを表します。

判りやすく言い換えると、特定の数字がどれくらいの確率で出現するか表しています。

ある銘柄の株価が100円だったとします。

しかし、その銘柄にとって100円がどのような意味をもつかが判らないと取引では意味がありません。

標準偏差を使うことで、100円が非常にまれな株価であることが判ったり、100円はレンジ株価であることが判ったりします。

標準偏差の計算

机上の用紙に、鉛筆で複雑な計算を書く男性の手

チャートの機能として、ほぼ確実にボリンジャーバンドが表示できますので、実際に計算する機会はありません。

「みのたけ投資のススメ」は趣味としての投資をおすすめするブログなので、より深く理解したい方のために、計算方法を解説します。

興味が無ければ、読み飛ばしても大丈夫。

今回は、計算方法の解説なので、理解しやすさを優先し、あえて一般的ではない基準を使って解説します。

移動平均は7日間で説明します。また、小数第3位を四捨五入します。

ボリンジャーバンドは、一般的に、20日~25日の単純移動平均線と、±1σ、±2σの標準偏差をつかいます

標準偏差の計算手順

1. …… 価格の平均をだします
全価格の合計(価格+価格+……)÷合計した価格の個数=平均価格

2. …… すべての価格から、それぞれ平均価格を引き、偏差をだします
価格-平均価格=偏差

3. …… すべての偏差を、それぞれ2乗して正数(累乗)にします
偏差×偏差=累乗(2乗の正数)

4. …… 累乗の平均(分散)をだします
全累乗の合計(累乗+累乗+……)÷合計した累乗の個数=分散

5. …… 分散の平方根を計算し、標準偏差をだします
分散=標準偏差の2乗

自分で計算するのもたのしいですが、めんどうな累乗や平方根の計算は、PCやスマートフォンの計算機アプリの機能を使えば簡単。
表計算ソフトなら、平均(AVERAGE)、累乗(POWER)、平方根(SQRT)。これは計算の楽しみがなくなってしまいますが、標準偏差はSTDEVPでだせます

標準偏差の参考例

銘柄A 銘柄B
日数 価格 偏差 累乗 価格 偏差 累乗
1 1 -0.43 ‭0.18‬ 1,000 -2.71 7.37
2 2 0.57 0.33 1,012 9.29 86.22
3 1 ‭-0.43‬ 0.18 1,030 27.29 744.51
4 2 ‭0.57‬ 0.33 990 -12.71 161.65
5 2 ‭0.57‬ ‭0.33 978 -24.71 610.80
6 1 ‭-0.43‬ 0.18 1,001 -1.71 2.94
7 1 ‭-0.43‬ ‭0.18 1,008 5.29 27.94
合計 10 1.71 7,019 ‭‬ 1,641.43
平均 1.43 1,002.71
分散 0.24 234.49
標準偏差 0.49 15.31

ボリンジャーバンドでは、プラスとマイナスが同様に分布すると考える

2本あるのは、標準偏差では集合が最も集中する中心から、プラスとマイナスの双方に、同じように分散すると考えるから。

先ほど100円の株価を例に挙げましたが、100円ということは、理論的には50円になることもあるし、150円になることもあります。

100円を基準のゼロとして考えたとき、マイナスの50円とプラスの100円が同様に分布すると標準偏差では考えるため、同じ値のプラスとマイナスをつかいます。

もちろん、現実の株価はそうなりません。

そういう考え方をする指標だということが、ボリンジャーバンドのポイントです。

正規分布のデータは、特定の確率でσの中に数値が納まる

先ほど、「標準偏差では集合が最も集中する中心から、プラスとマイナスの双方に、同じように分散すると考える」と解説しましたが、そのような分布を「正規分布」と呼びます。

統計学では、正規分布に従うデータの場合は、それぞれの確率でσの内側に数値が収まると考えます。

ボリンジャーバンドで使う"σ"は3種類

チャートでは標準偏差の倍数で表記され、×1・×2・×3の3種類が主に用いられます。

  • 標準偏差×1=±1σ
  • 標準偏差×2=±2σ
  • 標準偏差×3=±3σ

そして、統計学ではばらついている値は、以下の確率で、各標準偏差倍数のプラスとマイナスで表された線の内側に収まります。

  • ±1σ = 68.3%
  • ±2σ = 95.4%
  • ±3σ = 99.7%

株価は正規分布ではない

しかし、ここで問題があります。

株価は正規分布に従うデータではありません。

市場は経済影響など不確定要素が多いため、分布に偏りがでます。

そのため、「σの内側に特定の確率で分布する」かというと、あまりあてになりません。

では、役に立たないかというと、そうではありません。

統計学にそった考え方では、あまり役に立ちません。しかし、株式指標として別の見かたをすることで、株価予測に役立てることができます。

ボリンジャーバンドの使い方

※ブログ記載内容は、投資の推奨または勧誘を目的としたものではありません。※正確な情報をお伝えるるよう心がけていますが、記載内容を当ブログが保証するものではありません、取引の際は、必ずご 自身で取引内容を確認し、投資にあたっての最終判断はご自身でお願いします

±2σのボリンジャーバンド:米ドル/円

本来の目的とは逆に、どれだけ正規分布とかけ離れているかをみることで、偏りの強さを知ることができます。

例えば、チャート左端の2つの赤矢印のところを見てください。

大きな上昇トレンドが発生しています。

株価は+2σと重なるような形で20週程度の期間、上昇しています。

先ほど±2σの内側に95.4%の確率で分布すると解説しました。

しかし、この上昇中は、ほとんど+2σと重なる位置に株価があります。

これは正規分布の標準偏差からは考えられないことです。

±2σの外にあれば強いトレンド

つまり、この期間は株価に強いかたよりが発生していると見ることができます。

強い偏り=トレンドです。

では、逆に±2σの内側に均等に分散しているとしたらどうでしょうか?

それはレンジ相場であると判断できます。

±2σの幅が広い時はボラティリティーが高い

また、±2σはそのときどきで、幅が広くなったり、狭くなったりします。

幅がひろければ、値が広い範囲に分布しているということ。

つまり、価格変動幅が大きくなっていることを表します。

それだけでは、投資判断にはあまり役に立ちませんので、また、かたよりについて考えます。

分散の範囲が広いのに、その端部に値がとどまる、これは正規分布では考えられません。つまり、そのとき大きなかたよりが発生していると考えられます。

強いかたより=トレンドです。

つまり、幅が広く±2σの範囲外に株価があれば、より強いトレンドと考えられます。

例えば、トレンドが発生しているとしたら、トレンドにのって取引をすれば利益が出るはずです。

また、レンジ相場と判断すれば、方向感が無く利幅も少ないので、取引はしないと考えることができます。

みのたけの感想

ボリンジャーバンドはσの内側にとどまる確率が高いので、売時や買時の判断にできると書いてある解説も少なくありません。

しかし「みのたけ」の経験では、その通りに取引をすると、ほぼ確実に失敗します。

解説したように株価は正規分布ではないので、σの内側に分布する確率はあてにならなくて、当たり前です。

そもそも、未来の株価は誰にもわかりません。どれだけ確かと思える考え方も目安でしかありません。

それなのに世界トップクラスの秀才たちが知恵を絞って公式を次々と考え出すことや、必ずもうかる方法がないところが投資の面白いところだと「みのたけ」は思います。

ご愛読ありがとうございました!

\ 無料で使えるWEBサービス! /
▼▼ 日本語対応の外国株チャート ▼▼

-投資入門
-, , ,

Copyright© みのたけ投資のススメ , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.