EME = エマージング通貨 = 新興国通貨
新興国の総体を指しているため、EMEは特定の国の通貨ではありません
この記事では、新興国がどの国を指しているか解説します
目次
EMEとは、新興国を意味する略語
EMEは、主に【USD/EME】といった通貨ペアの記載で見ることができます。
この『EME』は、【新しく生まれた/新興の】を意味する英単語「Emerging」の頭3文字をとった略語です。
英単語の読みかたは「エマージング」。経済・投資の分野では、単語本来の意味とは少し異なり「新興国」を意味します
そして、【USD/EME】は通貨ペアなので、EMEは「エマージング通貨」、もしくは「新興国通貨」を意味します
通貨ペアのUSD/EMEという表記以外にも、解説文などで「エマージング市場」「エマージング通貨」といった表記を見ることができます。
これもさきほどと同じようにエマージングを新興国と書きかえ、「新興国市場」「新興国通貨」とすれば、より意味が分かりやすいと思います。
ところで、新興国をはどの国を指すのでしょうか?
新興国とは、どの国?
どの国が新興国に属するかは、アナリストや経済学者が発表した内容を元に認識されてきました
それぞれが、自分の発表内容の論旨にあう国々を新興国としてリストアップします。そして、その発表内容が広く賛同を得られると、同時にそこに書かれた国々は新興国であると広く認識されるようになります
では、広く賛同を得られた発表には、そのようなものがあるのでしょうか?
主に、以下のリストにある5つの枠組みがあります
- MSCI Emerging Market Index
- BRICs
- N-11
- VISTA
- Fragile Five
それぞれについて解説していきます
MSCI Emerging Market Index
MSCI・エマージング・マーケット・インデックス(The Morgan Stanley Capital International Emerging Market Index)は1988年にMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル/NYSE: MSCI)により発表され今日まで続く新興国株指数です
2019年時点で、26か国、1402の株式で構成されています。数多くの新興国市場投資信託がこの指数との連動を目指す、まさに新興国市場を代表する指数です
構成にふくまれる国々は頻繁に入れ替わりますが、2020年時点では、このようなラインナップになっています
- アルゼンチン
- ブラジル
- チリ
- 中国
- コロンビア
- チェコ共和国
- エジプト
- ギリシャ
- ハンガリー
- インド
- インドネシア
- マレーシア
- メキシコ
- パキスタン
- ペルー
- フィリピン
- ポーランド
- カタール
- ロシア
- サウジアラビア
- 南アフリカ
- 韓国
- 台湾
- タイ
- トルコ
- アラブ首長国連邦
この指数に連動する投資信託は数多く存在します。
値動きの参考に、日興アセットマネジメントが運用するファンド「上場MSCIエマージング株」のチャートを紹介します
上場MSCIエマージング株(TSE: 1681)
この投資信託の目論見書によると、MSCIエマージング・マーケット・インデックスの変動率に完全に一致させることをめざしているそうです
BRICs
- Brazil (ブラジル)
- Russia(ロシア)
- India(インド)
- China(中国)
- South Africa(南アフリカ)
国名の頭文字を並べ「BRICs」という略語で呼ばれる、非常に知名度の高い枠組みです
この呼び名は、Goldman Sachs Asset Management(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)の元会長のジム・オニールさんが、2001年に打ち出した造語です。「BRICsファンド」としてゴールドマン・サックスから売り出されていましたが、その役目を終えたとして2015年に販売を終了しています
中国の大躍進などにより各国の情勢が様変わりし、今となってはあきらかに有効ではない枠組となっています
N-11(NEXT11)
- インドネシア
- 韓国
- フィリピン
- ベトナム
- バングラディシュ
- パキスタン
- イラン
- トルコ
- メキシコ
- エジプト
- ナイジェリア
2005年、BRICsと同様に Goldman Sachs Asset Management(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)の元会長ジム・オニールさんが打ち出した造語です
日本では、「NEXT11」や「ネクスト11」と表記することが多いようです
急激な成長が見込まれる反面、政治的リスクの高い国が含まれるのが特徴的です
ゴールドマンサックスは、 このグループ全体のGDPが2050年までにG7の2/3にまで成長する可能性があると推定しています。2020年の段階では、インドネシア・韓国・トルコ・メキシコの4か国がGDPの大部分を占めています
VISTA
- Vietnam(ベトナム)
- Indonesia(インドネシア)
- South Africa(南アフリカ)
- Turkey(トルコ)
- Argentina(アルゼンチン)
国名の頭文字を並べ「VISTA」と名付けられています。英単語「Vista」の意味は【眺望/眺め/景色】
BRICs経済研究所の代表 門倉貴史さんが、日経BPオンラインで2006年の打ち出した造語です
やや小規模・鉱物資源が豊富・しかし懸念材料がある、そのような国が選ばれています
Fragile Five
- ブラジル(レアル)
- インド(ルピー)
- インドネシア(ルピア)
- 南アフリカ(ランド)
- トルコ(リラ)
読みかたは「フラジャイルファイブ」。Fragileの意味は【壊れやすい/弱い/もろい】
Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)のアナリストが、2013年に打ち出しました
命名当時は、これらの国々は経常収支の赤字により海外からの流入資金への依存度が高く、不安定であったことから、脆弱と判断されれた新興国5通貨として選出されました
現在は情勢が変化し、脆弱ではないとの意見が多いようです。
新興国の枠組みに共通する特徴
最後のまとめとして、今回あげた5つの枠組みに含まれる国々に、おおむね共通する特徴をリストにしています
投資メリット
- 経済成長率が高く、成長の余地が大きい
- 鉱物資源が豊富
- 世界人口の9割を占め、消費拡大に期待できる
- インフラ未整備のため、投資余地が残る
投資リスク
- 海外依存度が高く経常収支の赤字リスクが高い
- 米金利の利上などで資金流出が起こると、ダメージが大きい
- インフレ率が高く経済が不安定
- 社会基盤の未整備から、政治的混乱が起こりやすい
- 金利の急騰や通貨の急落の可能性が高い
- マイナー言語のため情報収集が遅れやすい
通貨
- 高金利
- 金利の急騰、通貨の急落の可能性が高い
- 管理変動相場制、固定相場制が多い
- 外貨管理や資本流出入に規制がある
※ブログ記載内容は、投資の推奨または勧誘を目的としたものではありません。※正確な情報をお伝えるるよう心がけていますが、記載内容を当ブログが保証するものではありません、取引の際は、必ずご 自身で取引内容を確認し、投資にあたっての最終判断はご自身でお願いします。※新興国投資は、ハイリスク投資です
みのたけの感想
今回取り上げた国々の通貨をインターネットで検索すると、「高金利」や「高額なスワップ」などの甘い誘い文句のがずらりと並びます
それらは、確かに事実なのですが、メリットと同じだけのリスクがあることについて、同じボリュームで語られていない事に非常に違和感を感じます
新興国経済は経済学者でも予測が困難な、非常にリスクの高い通貨です。
実際、世界の有名アナリスト達が書いた過去のレポートを見ても、現状と全く異なることが多くあります
新興国への投資は、間違いなくハイリスクです
とはいいつつ、「みのたけ」は韓国株を保有しています。新興国は、将来性の感じられる企業が数多く存在する魅力的な市場であることは間違いありません
このブログでは、「みのたけ」が投資を検討している企業を中心に紹介していきますので、興味があれば参考にしてみてください
ご愛読ありがとうございます!
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