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培養肉への投資は将来有望?【未公開株】

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メンフィス・ミーツ社の培養カモ肉串焼きの写真
メンフィス・ミーツ社の培養カモ肉

ベンチャーキャピタルファンドや機関投資家が、いま最も注目している分野の一つが、培養肉です。

ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、タイソン・ベンチャー(タイソンフーズ)、ソフトバンクなど、世界の名だたる投資家たちが、競って資金を提供しています。

2020年、メンフィスミーツは1億6,100万ドル(約176億円)の資金を調達しました。

2019年、フューチャー・ミート・テクノロジーズ、フィンレス・フーズ、ワイルド・タイプ、アルファ・ファームズ、ブルー・ナルー、などが1,000万ドル以上(約10億円)の資金を調達しました。

ほぼすべての企業が株式未公開なので、一般の投資家には、まだ無縁の話です。

しかし、「あと数年で市場へ商品をだせる」と宣言する企業も現れています。

市場へ供給するために資金が必要になった段階で、IPOの話がでてもおかしくない、「みのたけ」はそう思います。

  • 培養肉とはなにか?
  • 培養肉に関連する企業はどこか?

を徹底解説します!

2040年には、食肉に占める代替肉の割合が60%と予測

縦軸:生産高(単位:10億ドル)/横軸:年

これは、米国の経営コンサルタント会社カーニーが、2040年までの世界の「食肉生産額」と「動物・植物・培養の構成比」を予測した数字をグラフ化したものです。

培養肉のシェアは、植物由来肉より大きくなる

注目してもらいたいのは、2040年の構成比率です。

「動物由来肉が40%」と「植物由来肉・培養肉が60%」と、代替肉の比率が動物由来肉より多くなっています。

また、代替肉に占める割合が2035年頃を境に反転し、培養肉の比率が拡大しています。

これは、培養肉の生産コストが低下し、動物由来肉や植物由来肉と同等になると、以後は培養肉のシェアが拡大し続けるという予測になります。

動物由来肉だけでは人口増加の対応できない

世界の人口は2018年には76億人でしたが、2050年には100億人に達すると予測されています。

人口が増加し続けると動物由来肉の生産は物理的に不可能になると考えられています。そして、植物肉も穀物生産に依存しているため、生産は一定量から拡大が抑制される、そのように予測されています。

培養肉とは

そもそも、何なのか?

つくり方、生産の費用・時間、を解説します。

培養肉の作り方

1.自己再生により肉になることができる細胞をセレクトします。
2.セレクトした細胞に、栄養分(アミノ酸、糖、ミネラル、ビタミンなど)を供給し、成長させます。
3.培養器に移し、その中で細胞が増殖させます。そうすると筋肉や組織が形成されます。
4.2週間~6週間の培養で、食肉が生産できます

動物由来の細胞などを使用する培養肉も多いので、ベジタリアンやビーガンに対応できるかは、各社まちまちです。

今のところ、まともな味に仕上がるのは、挽肉・すり身だけのようです。

ステーキなど1枚肉は、3Dプリンターでの成型など数例の事例があります。しかし、動物由来肉と同様とはお世辞にもいえない質感のようです。

骨付き、トリ皮付き、サシ入りなど複数の質が混在する肉に関して成功事例がまったく見あたりません。

莫大な生産コストが必要

記事を書いている2020年の段階では、数10倍~数100倍の生産コストが必要です。

高価格の原因は培養液

高価格の原因は、細胞を培養するための培養液です。

コストについて、イスラエルの培養肉企業フューチャー・ミート・テクノロジーズのCEOロム・クシュクさんは、培養液がコストの99%であると答えています。

牛肉1kgが、8.7万円

フューチャー・ミート・テクノロジーズの科学者ヤコブ・ナフミアスさんは、牛肉1㎏の価格を2018年時点で800米ドル(約8.7万円)と試算しています。

エビ肉1kgが、38万円

シンガポールの培養肉企業シオック・ミートは、2019年に8つの餃子をつくるのに約5,000シンガポールドル(約38万円)の費用がかかりました。

同社のエビ肉1Kgもまた、約5,000シンガポールドルの費用がかかります。

同社代表は、2年後には3桁までコストダウンすると話しています。

動物由来肉の1.3%の時間で生産可能

企業によりさまざまですが、早くて2週間、長くて6週間に収まっています。

牛が食肉として出荷されるまでの期間は、約3年(約156週間)です。

while it takes a cow around three years to develop enough meat to be slaughtered, we can do the whole thing in three weeks.

Meatable WEBページより

”牛から食肉を提供するには3年かかる、私たちなら3週間でそれができる”

培養肉は仮の名前

今のところ、名前は定まっていません。

近年になって好まれるようになった名前の一つに、The Good Food Institute が2016年に命名した ”clean meat”(クリーン・ミート:清潔な肉)があります。

クリーン・ミートの他に、"cell based meat"(セル・ベース・ミート:細胞性の肉)や"Plant Based Meat"(プラント・ベース・ミート:植物性の肉)なども多くの場面で使われています。

培養肉など、研究所で作られたことを思い起こさせる名前に対し、多くの人々が良くない印象を覚えるという複数の調査結果があります。

日本では、日清食品HDと弘前大学の研究グループが「培養肉に関する大規模意識調査」(日清の調査結果WEBページ)を実施しました。

しかし、「培養肉を試しに食べてみたい」と考える回答者は3割弱で、「受容性向上の施策が必要である」と結論付けています。

このような状況のため、培養肉を推進する人々は、より多くの人々に受け入れられる名前は何か?、を模索している状況です。

ところで、日本で見る記事は「培養肉」と書かれることが多いように感じます。いかにも、研究所でつくりました!という感じがでていて、世界の流れとは逆行しているように「みのたけ」は思います。

このブログでは、認知度が高いと判断して「培養肉」と書いています。しかし、少しづつ増えてきているクリーン・ミート、もしくは、一般に浸透する前に印象の良い他の名前を、日本でも考える必要がありそうです。

培養肉は環境負荷が低い?

環境関連の数字は科学的な根拠がないという説があります。
参考:キャノングローバル戦略研究所WEBページ、2019.04.23『地球温暖化の化学的不確実性』

培養肉関連各社のWEBページでは、必ずといっていいほど、環境負荷の低下のアピールに多くのスペースを割いています。

そもそもの目的が、持続可能性や環境負荷の問題解決なので、全く間違ってません。

しかし、植物由来肉の企業WEBページのカジュアルな雰囲気とあまりにも違うことに、単純に驚かされます。

商品が流通するタイミングで、変わるのかもしれません。

環境への影響

  • 世界の人為的温室効果ガス排出量の18%は畜産によるものです。それと対照的に、世界の輸送は13%です
  • 地球の26%の氷のない表面は、畜産に使用されています。これは全農地の70%を占めています
  • 人類の淡水の占有領域の27〜29%は、動物製品の生産に使用されます
  • 畜産は森林破壊、土地の劣化、水質汚染、砂漠化の主な原因です

New Harvest WEBページより

産業農業はすべての温室効果ガス排出量の15%を占めており、畜産は世界的な森林破壊の主な原因です。わずか1ポンド(約450g)の牛肉を生産するには、1,799ガロン(約6,810リットル)の水が必要です。

Meatable WEBページより

(動物由来牛肉を培養肉に変えると)温室効果ガス削減-80%、土地の利用-99%、水の使用-96%

Future Meat Technologies WEBページより

環境負荷に関しては、「根拠に乏しい」「畜産のメタンガスに対して、培養肉の二酸化炭素排出量はそれ以上、さらに、メタンガスにくらべ二酸化炭素の残存期間は数十倍」などと指摘する研究者もいます。

培養肉が市場に受け入れられるためには、少しでも正確な数字を提示する必要がある、そのように「みのたけ」は思います。

培養肉を開発する企業

日本の日清食品HD以外は、全て株式未公開です。

動物肉

Memphis Meats(メンフィス・ミーツ)
2015年に米国カリフォルニアで設立。ミートボール、チキン、カモ肉など

メンフィス・ミーツ社の培養チキン肉

Just(ジャスト:元ハンプトン・クリーク)
2011年に米国サンフランシスコで設立。鶏肉、スクランブルエッグ、マヨネーズなど

Future Meat Technologies(フューチャー・ミート・テクノロジーズ)
2017年にイスラエルで設立。ヘブライ大学発の企業。出資者はタイソンフーズがなど。
動物由来の成分なし、遺伝子組み換えなし。10,700平方フィートの施設を建造予定しており、2022年までには培養チキン肉を市場に投入する予定

Aleph Farms(アルファ・ファーム)
イスラエルのスタートアップ企業。
2019年にロシア人宇宙飛行士の協力により、国際宇宙ステーションで3Dプリンターによるステーキ出力をおこなった

Meatable(ミータブル)
培養肉製造技術を開発しているオランダの企業

SuperMeat(スーパー・ミート)
イスラエルの企業

HigherSteaks(ハイアー・ステークス)
血液サンプルから牛肉食品を製造する研究をする企業

日清食品HD TYO: 2897
日本の食品加工会社。インスタント麺が主力商品。東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授の研究グループと牛肉由来の筋細胞を用いてサイコロ状の牛筋組を作ることに成功

魚肉

Finless Foods(フィンレス・フーズ)
人工魚肉メーカ

Blue Nalu(ブルー・ナルー)
米国カリフォルニアの企業。魚の細胞からの魚介類培養を研究

Wild Type(ワイルド・タイプ)
米国サンフランシスコのサーモン肉培養を研究する企業

Shiok Meats(シオック・ミート)
2019年に起業したシンガポールの会社。エビから幹細胞の少量のサンプルを採取し培養肉を生産。2021年にエビのミンチ肉の販売を開始する予定。Shiokの意味は「美味しい」

非営利団体

New Harvest(ニュー・ハーベスト)非営利団体
2004年に設立された細胞農業の非営利研究所

The Good Food Institute(ザ・グッド・フード・インスティチュート)
2016年に設立された、米国の非営利団体。培養肉関連企業への助成金提供や、啓蒙活動を目的として活動

植物由来肉に関連する銘柄

『植物由来肉に関連する株、15銘柄+6』で銘柄を解説しています。

みのたけの感想

とにかく本物を見て、食べてみたい、これが一番の感想です。

見た目と味が、最終的にどこまで動物由来肉と似るのかがポイントだと思います。そこが中途半端だと、消費者の反発が大きくなるのではないでしょうか。

ビヨンドミートに出資し、その後は自社で植物由来肉製品を販売しているタイソンフーズが、培養肉でも存在感を強めています。培養肉関連企業には投資ができないので、このあたりが攻めどころでしょうか。

IPOがでてくれば、植物由来肉と住みわけができる魚介類の培養肉が面白そうです。

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